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ゲームは遊ぶハードで大きく変わる
同じタイトルのゲームが複数のプラットフォームで発売されることが増えています。それはゲームソフトを発売する会社が売り上げを伸ばすための戦略であり、より多くのゲームファンに商品を届けたいと言う思いの現れでもあります。
しかし、プレイするプラットフォームによってその内容に大きな違いがあるということはご存知でしょうか。
この記事では PS4版とPC版のゲームの違いについてまとめます。中にはゲームから得られる感動を大きく左右する項目がありますのでぜひチェックしてください。
モンスターハンターワールでご紹介
プラットフォームによる違いを今回はモンスターハンターワールド(以下/MHW)を通じてご紹介します。
フレームレートの差
1つ目はfps(フレームレート)の違いについてです。
プラットフォームによるfpsの違い
それでは各プラットフォームでどの程度違うのか見ていきます。
PS4版=最大30fpsで固定
PS4 通常版のMHWでは最大30fpsです。処理が重たいシーンになるとここからレートが下がります。いわゆる「カクツク」ようになる訳です。特にプレイヤー4人で狩りを行っている時や、小動物が多く表示される「古代樹の森のエリア1」など同時に多数の画像処理が必要な場面ではフレームレートが低くなります。
PS4 Pro版=3つの設定から選べる。最大60fps
PS4 Pro版では画像のオプションを3タイプから選択できるようになります(一部4Kモニターが必要です)
4K対応のモニターに接続すると4K画質でMHWを遊べるモードです。グラフィックは美しくなりますがfps値は通常時が30fps、処理が重い所は20fpsを下回ります。fpsが30を下回ると動きの滑らかさはかなり損なわれ、MHWのような素早い操作を必要とするゲームではプレイヤーにとってストレスとなります。また、低いfpsでのプレイは画面酔いの原因にもなります。
画質を犠牲にすることでfpsを向上させるモードです。ほかのモードでは平均30fps前後ですが、fps優先モードだと最高60fps、通常時は40~50fps出ます。ほかの2つのモードより2倍近く滑らかな画面で遊ぶことができます。しかし、これは画質(テクスチャ)の表現を犠牲にするのでキャラクターや武器、モンスターの細部はぼやけてしまい画像の美しさは軽減します。
4Kモニターでなくても画質を向上させるモードです。1の解像度優先と似ています。フレームレートも解像度優先と同等です。
PC版=60fps 以上、最高画質でプレイ可能
極論ですが、PC版のフレームレートには限界がありません。PS4と違いPCはそれぞれの個体でスペックが異なります。性能の高いゲーム用PCだと4K出力/最高画質/60fpsも十分可能です。
PC版のfps値を左右するのはグラフィックボードと呼ばれるパーツの性能です。性能の良いグラフィックボードを使うほどfpsの値は向上します。私が使っている1070tiというグラフィックボードでは2K出力(2560×1440)で画質を最高設定にして平均70fps、中設定だと100fpsでプレイできます。
ゲームを快適に遊べるfps値は?
100fps、200fpsと値が高ければ高いほどプレイは快適かと言うとそうでもありません。
60fpsを超えるとフレームレートの向上による恩恵は分かりにくくなります。逆に30fpsから60fpsへの変化はとても大きく、60fpsに慣れてしまうと、もうそれ以下のフレームレートで遊ぶのが不快になります。
ゲームを快適に遊ぶための基準として、安定して60fpsでプレイできるか?が1つの目安となります。
尚、PC版はPS4版と異なり、かなり細かくグラフィックの設定を行うことができます。詳細は次の章でご説明します。
グラフィックの設定
2つ目はグラフィック設定の違いについてです。
PS4のグラフィックはほぼ固定ですが、PS4 Proでは上記のように3つのモードからお気に入りの設定を選ぶことができました。一方、PC版はグラフィックを調整できる項目が多数用意されており、細かな調整を行うことができます。
下の画像はPC版のグラフィックオプション画面です。PS4版と見比べてみましょう。
PS4 版とは異なり、テクスチャ品質や影の品質、植物の揺れにいたるまで、実に多様な設定が可能なことがわかります。これらの細かな設定によって、自分のパソコンに最適な調整を行うことができます。先ほどのfpsを設定する項目も設けられ、フレームレートの値を指定することもできます。PS4 Pro版ではfpsを優先するために画質を犠牲にしていましたが、PC版ではその両方を最高設定で楽しむことができます。
MHWは前作のモンスターハンターダブルクロスから、2世代、いや、3世代分ジャンプ(大幅進化)した作品として世界的に評価されました。この大ジャンプの要因にはゲームの舞台を携帯機から据え置き機へと変え、グラフィックの美しさをイノベーションと呼べるほど高めた恩恵がとても大きく寄与しています。そのグラフィックを最高レベルで楽しめるのがPC版です。
ロード時間
3つ目はロード時間の違いについてです。
PS4でMHWをプレイする際、ネックなのがロード時間の長さです。PS4ではゲームスタート時や狩りに行く前、狩りからの帰還時にかなり長いロード時間が入ります。(長いと1分以上)
このロード時間をなんとか短縮しようとPS4 ProをSSD(フラッシュメモリー)に変えた方も多かったのではないでしょうか。
私もその1人です。
しかし、PC版だとロード時間の存在を忘れてしまうほどの速さで狩りや探索を楽しむことができます。では、PS4 Pro版+SSDとPC版+SSDのロード時間を比べた下の動画をご覧ください。
PS4 Pro版はどれだけSSD化してもしっかりロード時間が存在します。いくら早くなったといっても、やはりゲームのプレイ時間を割いてしまう煩わしさがあります。一方、PC版のロード時間はほとんど無いといってよいほどの速度です。
例えばクエストを受注してから狩猟可能になるまでPC版は約14秒ですが、PS4 Pro+SSD版はほぼ同じ条件で検証しても約30秒の待ち時間が存在します。
これだけ高画質で高いfpsで、しかもロード時間がとても早いのはゲームファンとしては大変嬉しいことです。ゲームのプレイに全くストレスを感じません。
MODの導入
4つ目はMODについてです。
ゲームをPC版で楽しむ最も大きな恩恵の1つはMODの導入でしょう。
一部のゲームはPS4やXbox OneでもMODを入れて遊ぶことができますが、基本的にMOD対応はPC版だけです。
MODの種類
MODには以下のような種類があります。
スキンチェンジ
キャラクターの見た目を本編には登場しない別のキャラクターに差し替えるMODです。写真のようにハンターの容姿をスパイダーマンやダースモールなど、本来の姿とは全く異なる見た目に変更できます。また、既存の装備のデザインを変えたり、プレイヤーだけでなくNPCやモンスターの容姿を変える事もできます。受付嬢の美人化などは有名ですね。
グラフィックチェンジ
プレイ画面を明るくしたりコントラストの強い画にしたりグラフィック全体の色合いを調整するMODです。MHWはデフォルトだと少し白みがかった映像ですが、MODを使うことでよりシャープで鮮明な映像にすることができます。しかし、選ぶMODによっては画像処理が重くなりfpsが低下するので注意が必要です。
ミュージックチェンジ
ゲーム内の音楽を違うものにリプレイスするMODです。例えばゲーム内のすべての音楽を歴代の作品(MHXXなど)で使用されたものに置き換えることができます。
ツール・ユーティリティ
ゲームのシステムそのものに手を加えるMODです。例えば、4人でモンスターを狩っている際、誰が一番ダメージを与えているかグラフで表示したり、アステラのお店で売っているアイテムの種類を増やすことができます。製品版ではアップデートで徐々に重ね着装備が解放されていますが、全ての装備を重ね着として使用することもできます。
尚、MODはメーカー公式ではないためゲームのデータに支障をきたす可能性があります。使用は自己責任となります。
(おまけ)PS Plusへの加入が不要
PC版のMHWはオンラインで遊ぶ際もPS Plusへの加入は必要ありません。PS4版は 1カ月476円+税 、12カ月だと4,762円+税を支払い、利用権を購入する必要があります。PS4はSONYが有するプラットフォームなので支払いが必要ですが、PC は様々なメーカーがリリースしているためSONYの独占的なマーケットではありません。 PlayStation Plus への加入は必要ありません。
PC版には特権がいっぱい
いかがでしたでしょうか。最後にPC版でゲームを遊ぶメリットをまとめます。
- 60fpsを超える滑らかな画面で遊ぶことができる
- 高いfpsでも最高品質のグラフィック設定で遊ぶことができる
- ロード時間のないプレイで狩りに没頭できる
- MODの導入で普通ではプレイできないゲーム体験を味わえる
ゲームが大好きな方には、ぜひゲームPCで遊んでいただきたいです。
私はMHWをPS4 Proで300時間ほど遊んでいたのでPC版は購入を見送っていました。
しかし、STEAMの2018年ウィンターセールの際にMHWもセール価格になっていたため購入しました。最初は「何時間も遊んだゲームなので今さらPC版を買う必要はなかったかな?」と少し後悔しましたが、その気持ちはゲームを実際プレイしてすぐに消えました。
今まで遊んでいたMHWは本来の60%ほどしかその魅力を発揮できていない「制限された」ものだったのだと感じました。
百聞は一見に如かず。You tubeやインスタグラムの動画で見るのではなく、ぜひ一度、実際に性能の良いゲームPCを自分の手で遊んでみてください。感動的なゲーム体験が待っています。